Human Area Network

 今日,セミナーでHuman Area Networkというものを見てきた.

 Human Area Networkとは人間の体を媒体とし通信する技術で,キーを持っていれば人間がリーダに触れることで情報の伝送ができる技術である.例えば,認証情報を持つキーを身に付けていれば,足元にリーダのあるゲートの通過やリーダ内臓ドアノブに触れることでカードをかざしたりすることなく認証が可能となる.

 伝送の仕組みは,人間の体に電界を纏わせることで…,というようなことを言っていたが,正直聞いても良くわからなかった.原理はともかく,人間の体全体に情報を帯びさせ,それを読み取ることができるわけである.使い方次第では非常に面白いデバイスであろう.久しぶりに魔法のような技術を見た気がする.

 比較対照として,Suicaなどの非接触ICカードであればカードを取り出してかざす,という操作が必要になるが,この技術を用いればそれすらも必要なくなる.日常的にまったく付加的な動作をすることなく,セキュリティが確保できるとすると,それは素敵な世界であろう.

 一方で,以下のような課題も見受けられた.

  • Suicaなどにくらべキーが大きい(厚い)
  • キーから情報を発するために電源が必要

特に,2番目の電池交換が必要になるのは個人的には致命的だと思う.

 今のところSuicaなどの非接触ICカードよりも使い勝手の良い技術であるとは思えないが,ある程度限定された環境においては生きてくることもあるんじゃないだろうか.早く生きるシナリオを見つけることがこの技術の第一歩なのではないかと感じた.